富国生命投資顧問株式会社

レポート

2019年1月-Vol.272

まとめ

今月のポイント

今月29日より米国でFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。前回12月のFOMCでは、2018年4度目となる0.25%の利上げを決定する一方、FOMCメンバーの2019年の利上げ回数見通しが3回から2回に下方修正されるなど、これまでよりややハト派的な姿勢を示しました。しかし、パウエル議長の会見内容も含め、よりハト派的になるとの金融市場の期待には届かなかったため、米株価は大幅に下落しました。1月の会合において政策変更はないと見込まれますが、昨年までは年4回であったFOMC開催後の議長会見が、2019年からすべてのFOMCで行われるため、その会見の内容が注目されます。

市場動向
国内債券 10年国債利回りがマイナス圏では国内投資家の需要が見込めないことから、小幅の金利上昇を予想する。
国内株式 バリュエーション面では割安感が強まっているものの、企業業績の下振れリスクが高いことなどから、戻りは限定的なものと予想する。
外国債券 <米国>短期間で米国経済が大きく減速する展開は考えにくいものの、米中貿易戦争などの不透明要因もあるため、金利は横這い圏で推移するだろう。
<欧州>ユーロ圏経済は緩やかに回復しているものの、ブレグジット交渉の不透明感もあるため、金利は横這い圏で推移するだろう。
外国株式 <米国>1月中旬から本格化する10‐12月期決算発表は増益が予想されるなか、12月のFOMCで追加利上げ見通しが引き下げられたことや、バリュエーションからも売り込みにくい水準にあるため、小幅な上昇を予想する。
<欧州>緩和的な金融政策は好材料であるものの、企業業績への警戒感が強まっていることや、ブレグジット交渉の他、ドイツ、フランス等の政治面での懸念材料もあるため、米国市場をアンダーパフォームしよう。
為替市場 米国経済は底堅く推移すると見込むものの、不透明要因もあるため、円は対ドルでほぼ横這いでの推移になるだろう。イタリアの財政リスクが低下する一方で、中国経済の減速など景気の下押し要因もあることから、ユーロは対ドルで横這い圏で推移するだろう。
虫眼鏡

『働きやすい・生活したい環境とは!』

ポイント

今月29日より米国でFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。前回12月のFOMCでは、2018年4度目となる0.25%の利上げを決定する一方、FOMCメンバーの2019年の利上げ回数見通しが3回から2回に下方修正されるなど、これまでよりややハト派的な姿勢を示しました。しかし、パウエル議長の会見内容も含め、よりハト派的になるとの金融市場の期待には届かなかったため、米株価は大幅に下落しました。1月の会合において政策変更はないと見込まれますが、昨年までは年4回であったFOMC開催後の議長会見が、2019年からすべてのFOMCで行われるため、その会見の内容が注目されます。

今月の主なポイント
1/21 (中)GDP統計(10‐12月期)・・・成長率が緩やかな減速にとどまるか
1/29 (米)大統領一般教書演説・・・内政・外交の施政方針に変化がみられるか
1/29 (米)FOMC(30日まで)・・・上記参照
1月中 米中通商協議の行方・・・通商分野において進展がみられるか
FF金利予想確率

出所:CMEグループ資料をもとに富国生命投資顧問作成

国内債券

指標銘柄/新発10年国債
12月の国内債券市場

12月の債券市場は上昇(金利は低下)した。10年国債利回りは、月初から米国長期金利の低下や国内外での株価下落を受けたリスク回避の動きから、低下基調で推移した。年末にかけて流動性が乏しくなる中、低下基調が続き、月末は▲0.005%で終了した。

月初、10年国債利回りは、米国を中心に海外長期金利が低下したことを受け、低下基調で推移した。金利低下を受けて10年国債入札が弱めの結果になったものの、特段の調整材料とはならなかった。その後、国内外で株安が進みリスクオフの展開となったことから、金利は低下基調で推移し、月半ばには0.03%まで低下した。月後半に入っても、リスク回避の流れが続く中、金利低下基調が継続した。金利の低下を受けて国債市場参加者の間では、金利がマイナス水準まで低下した場合、今月2度目の日銀の国債買入れ減額があるとの見方が増えたものの、25日に日銀が実施した長期・超長期ゾーンを対象とした国債買入れオペの減額はなく、その後も金利は低下し、月末は▲0.005%で終了した。

イールドカーブは、残存7年超ゾーンの低下幅が相対的に大きく、同ゾーンがパラレルに低下した。

信用スプレッドは、基準となる国債利回りが低下したことを受けて小幅に拡大した。

1月の国内債券市場

1月の債券市場は、10年国債利回りがマイナス圏では国内投資家の需要が見込めないことから、小幅の金利上昇を予想する。

1月の債券市場のポイントは、①日銀の国債買入れ、②米国の金融政策動向、③中国経済の動向と考える。

①<日銀の国債買入れ>長期金利が0%近傍で推移する中、日銀がどのように弾力的な国債買入れを実施するかが市場参加者の注目点となろう。海外金利の動向などを受けて国内金利が大きく動いた際に、日銀がどの水準で、どの程度の買入れを行うかを巡って、当面は思惑が交錯しそうだ。

②<米国の金融政策動向>年初の米国株式市場の下落を受けて、2019年の利上げが想定されたよりも少なくなる、あるいは利上げの困難さが増すとの観測が増えつつある。米国の経済指標が予想を下回る、あるいは米国の企業の業績懸念が高まる場合には、FRB(連邦準備理事会)の利上げ打ち止め観測が追加的に高まり、金利には低下圧力が掛かりやすくなるだろう。

③<中国経済の動向>米中貿易戦争の影響から中国経済の減速懸念が高まっており、先行き不透明感が増している一方、一部の都市では住宅価格が上昇気味に推移している。その中で、政府が不動産市場の鎮静化を進めつつ、マクロ経済の安定化を進めるかがポイントとなるだろう。

イールドカーブは、金利低下の反動から、ややスティープ化圧力が掛かりやすい展開を予想する。

信用スプレッドは、基準となる国債利回りの上昇を予想することから、小幅の縮小を予想する。

国内株式

日経平均株価225種東証株価指数(TOPIX)
12月の国内株式市場

12月の株式市場は、米株式市場の急落を受けてリスク回避の動きが高まったことなどから大きく下落した。日経平均株価は一時1万9000円を割り込む水準にまで急落し、月末にかけては反発したものの10.45%の下落となった。

米国の対中追加関税の発動が延期となったことが好感されて上昇して始まったが、中国の大手通信機器メーカーの幹部逮捕により貿易戦争への警戒感が強まったことなどから反落し、その後も国内7-9月期GDP成長率が速報値から下方修正されたことや中国の経済指標が弱かったことなどが嫌気され下落した。下旬に入ってもFRB(連邦準備理事会)の利上げに対する姿勢や米政府機関の一部閉鎖などから米株式市場が急落したことを受け下落基調が続いたが、月末には売られ過ぎの反動もあり反発する動きとなった。

業種別には、鉱業、医薬品、証券など全てのセクターで下落した。

1月の国内株式市場

米中貿易戦争など不透明な世界情勢に加え、景気の減速懸念から神経質な展開が続こう。米国と交渉が予定されているTAG(物品貿易協定)もリスク要因だろう。株価下落によりバリュエーション面では割安感が強まっているものの、企業業績の下振れリスクが高いことなどから、戻りは限定的なものと予想する。

12月調査の日銀短観では、自然災害の影響が剥落したことなどから企業景況感に底打ち感が見られる一方で、先行きについては悪化していることが示された。大企業製造業の業況判断DIは19ポイントと前回(9月調査)比較で横這いとなり、3四半期連続の悪化に歯止めがかかった。しかしながら、先行きについては15ポイント(今回から▲4ポイント)と悪化を見込んでおり、貿易戦争の懸念などが高まる中で企業は慎重な姿勢を強めている。

企業業績は、情報サービス、不動産といった内需関連は堅調なものの、機械、電機など外需関連は減速し始めている。工作機械の受注は減少に転じ、好調が続いていた電子デバイスについてもスマートフォンの伸び悩みなどから厳しくなりつつある。1月下旬から発表となる10-12月期の決算は、昨年の水準が高いこともあり純利益ベースで減益の可能性もあろう。来年度の業績は、大型予算の執行による下支えはあるものの、海外景気の成長鈍化などにより減速感が強まってくると見ている。

一方、株価が大きく下落したことから、バリュエーション面では割安感が強まっている。また、テクニカル面では日経平均株価の25日移動平均線からのマイナスかい離率は、一時10%を超えるまで拡大し、経験則からは反発することが多い水準に達した。こうしたことから短期的には反発する局面も想定されるものの、企業業績の下振れリスクが高まりつつある中で、戻りは限定的なものとなると見ている。

外国債券

米10年国債ドイツ10年国債
12月の米国債券市場

12月の米国の長期金利は大幅に低下した。トランプ大統領による月初の米中貿易摩擦を煽る発言、月中のFRB(連邦準備理事会)の利上げを強く牽制する発言が金利低下を促し、金融市場全般のリスク回避的な動きとも相俟って、月末は2.7%近くで引けた。

イールドカーブは概ねパラレルな低下となった。月前半は長期・超長期ゾーン主導の金利低下となり、月後半は短期ゾーンが主導する金利低下となった。

12月の欧州債券市場

12月の欧州(ドイツ)の長期金利は低下した。月初に米長期金利低下に連れて0.3%を割り込んだ後、月半ばの市場予想を下回る経済指標の発表、ブレグジット(英国のEU離脱)交渉に進展のなかったEUサミットを受けて更に低下、月末は0.2%台半ばで引けた。

周辺国国債とドイツ国債のスプレッドは縮小基調となった。中旬にイタリアが2019年の財政赤字をGDPの2.0%近くに抑制する予算修正案をEUに提出したことを受け、縮小基調となった。

1月の米国債券市場

1月の米国の長期金利は横這いを予想する。米国経済は、労働市場を中心に好調さを維持しており短期間で大きく減速することは考えづらい。但し、米中貿易戦争の影響から先行きへの懸念は払拭できず、金利は横這い圏での動きとなるだろう。

1月の欧州債券市場

1月の欧州(ドイツ)の長期金利は横這いを予想する。ユーロ圏経済は中国経済の減速を受け、ドイツを中心に鈍化はするものの底堅さは維持している。但し1月はブレグジット交渉の不透明感が残り、金利は横這い圏での推移を見込む。

外国株式

米国S&P500指数ダウ工業株30種平均ドイツDAX指数イギリスFT-SE(100種)指数香港ハンセン指数
12月の米国株式市場

12月の米国株式市場は、米中が追加関税の90日間先送りで合意したことで上昇したものの、中国大手通信機器企業のCFOがカナダで逮捕されたことなどで米中関係の一段の悪化が懸念されて売られ、またFOMC(連邦公開市場委員会)でのパウエル議長の発言がタカ派的と受け止められたことで急落した。その後は、割安感も台頭して反発するものの、振れの大きな局面は継続し、月間では、S&P500指数で9.18%と2009年2月以来の大きな下落率となった。セクターでは、エネルギー、金融、資本財・サービスを中心に全セクターが売られた。

12月の欧州株式市場

12月の欧州株式市場は、月初は、米国市場に追随して買われたものの、グローバル景気の減速や米中貿易戦争への懸念が台頭する中、中国大手通信機器企業の幹部逮捕の報道を受けて急落した。中国との通商協議に関するトランプ大統領の前向きな発言、イタリアの2019年予算案がEUと合意に至るとの期待、メイ英首相の信任投票が議会で可決されるなどの好材料に反発する局面もあったが、パウエル議長の予想よりタカ派的な発言が嫌気されて急落した。その後、テクニカルからの反発もあったが、戻りは限定的であった。国別では、オーストリア、ベルギー、オランダなどを中心に全ての国が売られた。セクターでは、金融、不動産、ヘルスケアなどを中心に全セクターが売られた。

12月の香港株式市場

12月の香港株式市場は、2.49%の下落となった。月初こそ米中首脳会談が好感されて上昇したものの、中国大手通信機器のCFOがカナダで拘束されたとの報道を受け米中対立の激化懸念が強まり売られた。また、中国や米国の景気減速懸念、原油の下落、米FOMCでの予想よりもタカ派的な声明文の発表などが相次ぎ下落した。

1月の米国株式市場

1月の米国株式市場は、中旬から本格化する10-12月決算発表では増益が予想されており、また、12月のFOMCで追加利上げ見通しが引き下げられたことや、バリュエーションからも既に売り込みにくい水準にあることから、小幅な上昇を予想する。

1月の欧州株式市場

1月の欧州株式市場は、マクロ経済見通しが軟化するに伴い、企業業績への警戒感が強まっている。また、緩和的な金融政策は好材料だが、3月末に控えるブレグジット(英国のEU離脱)の他、ドイツ、フランスをはじめとした政治面での懸念材料があり、米国市場をアンダーパフォームしよう。

1月の香港株式市場

1月の香港株式市場は、中国が中小企業支援のための預金準備率引き下げなどの金融緩和を進めており、また貿易面でも米国との対話に向けて踏み出しているため、大幅減速は回避されると予想されることから、米国並みの上昇となるだろう。

為替動向

為替(ドル/円)為替(ドル/ユーロ)為替(ユーロ/円)
12月のドル/円相場

12月のドル/円相場は、ドル安円高となった。米中貿易摩擦解消の目処が立たないことや、トランプ大統領のFRB(連邦準備理事会)の利上げを牽制する発言などで米金利が低下したこと、世界経済減速懸念から株価が下落したことからドルが売られた。月末にかけては、参加者が少ない中、更にドルが売られ109円台で引けた。

12月のユーロ/ドル相場

12月のユーロ/ドル相場は、ユーロ高ドル安となった。ECB(欧州中央銀行)理事会後のドラギ総裁の会見がややハト派的であったため一時1.12ドル台まで売られたが、リスク回避の動きなどでドルが売られたためユーロは1.14ドル台半ばとなった。

12月のユーロ/円相場

12月のユーロ/円相場は、ユーロ安円高となった。中旬までは128円台を中心とした動きとなったが、下旬にかけてリスク回避でドルに対してユーロよりも円がより買われたため円高が進み、125円台で引けた。

1月のドル/円相場

1月のドル/円相場は、横這いを予想する。FRBは段階的な利上げ姿勢を維持しており、2019年は緩やかに政策金利が引き上げられるものと予想する。米国経済は底堅く推移すると見込むが、米中貿易戦争や世界経済減速に対する懸念など不透明要因もあり、ドル/円はほぼ横這いでの推移となるだろう。

1月のユーロ/ドル相場

1月のユーロ/ドル相場は、横這いを予想する。イタリアの財政リスクが低下したことは、ECBが正常化を進める上で追い風になると考えられる。一方、中国経済の減速など景気への逆風は高まりやすく、ユーロは横這い圏で推移するだろう。

1月のユーロ/円相場

1月のユーロ/円相場は、横這いを予想する。ドル/円、ユーロ/ドルともにほぼ横這いを見込むため、ユーロ/円もほぼ横這いとなるだろう。

虫眼鏡

「働きやすい・生活したい環境とは!」

最近、新聞紙上で「田舎」、「シェアオフィス」、「都市から地方へ」、「幹部人材の都市から地方へ」、「新しい働き方」などの言葉を良く見かけます。自然があふれるところで主体的に生きたいと考える30歳前後の夫婦が、都市近郊の田舎と言われる地域に移り住み、カフェを開業するなどの話題もあります。ここ数年で、働き方や生き方が少しずつ変わってきていることを感じます。

住むにも仕事するにも子育てにも、そして高齢者にもよい、そういう今まで『田舎』と言われた地域が増えて欲しいと思います。実地検分及び実体験までは出来ていませんが、引退された先輩の話や報道等から見ると、かなり理想郷に向けた環境に近づきつつある地域も出て来ているようです。

その中で注目されるのは和歌山県と市町村の取り組みです。和歌山県自体が市町村と協同で主体的に魅力的な地域づくりをめざしています。たとえば同県の白浜町は、IT企業向けに「職場」と「休暇」をキーワードに打ちだし、自然豊かな環境で働きつつ、休日はリゾートが近くにあり効果的なリフレッシュが出来る町として注目されています。白浜町では地区に2階建ての「ITビジネスオフィス」の運営を2004年に開始したのを皮切りに、一旦小康状態となるものの、2014年頃から注目を浴び始め、2018年には第2のITビジネスオフィスをオープンし、すでに満室の状況とのことです。あるIT企業が一部部署を「サテライトオフィス」として移転させたことで知名度が格段に上がりました。空港に近接し羽田から2時間以内で到着出来るというアクセスの良さに加えて、賃料も安く、仕事中でも窓越しに見える海の眺めが仕事の効率を上げているようです。

ここに入居している人たちは電話やメールなどを効果的に使って顧客を開拓する「インサイドセールス」だそうです。今はそのIT企業は期間限定で従業員を派遣する形で運営しているようですが、営業成果も良好で、加えて移住を希望する従業員も出てきています。こうした事例が、「一極都市集中」から、ITなどのノウハウを生かして行政と一体となり地方の活性化や人口減、特に若者の都市への集中による事業の担い手不足の地方伝統地場産業や中小企業活性化といった課題の解決の糸口となる『モデルケース』になり得るのではないだろうかと思います。

何故、そう思うかの理由は3つあります。1つ目は、県・市町村がIT産業などを対象としたオフィス移転の支援活動を通じ、働く世代や子育て世代の移住を目指していること。2つ目は、高度化した現在のIT技術を上手く利用することで、職種や仕事などによっては効率運営が可能となり、移転させやすくなってきたこと。3つ目は、県や市町村や国が連携することで、地場の伝統的な産業もあらたな需要の再興とその担い手(雇用等)を得る可能性が高くなり、新たな再活性化への道が出来ることが将来的に期待でき、地元の協力が得られやすいことです。和歌山県では日本特有で生産量首位の果物である「柿」を県が主体的に海外(オーストラリア)に持ち込んで売り込みを行い、好評を得たようで、まさに「販路開拓」を県で行っていることは、後継ぎ課題のある地場農業の再活性化の可能性を感じることができます。

かつては「限界集落」を活性化するテーマのテレビ番組もありました。しかし、その集落が70歳をすぎても元気に仕事をしながら生活ができ、地域経済の維持・発展に貢献し、県などと一体となって海外に地元の名産品を売り込み、加えて元気に働きながら今の医療福祉水準の享受ができるような地域に変わることに自らの労働を通じて貢献できるなら、あなたはどう考えますか。公的制度に頼るばかりでなく、高齢になっても元気に年齢に応じた貢献ができるだけの雇用需要を、IT技術などを生かして生み出すことで安定した生活が可能になるならどうでしょうか。

また、「教育環境」においても、小職の学生時代とは違って、インフラやIT技術の発展もあり、本当に「都会の大学」でないとだめなのかと考えさせられてしまいます。昔のように首都圏の良い高校や良い塾などを選べる環境が得られないということも次第に少なくなっていくのではないでしょうか。これから子育てや家族を持ちたい世代が生活や教育にかかる費用が少なくて済み、同じレベルでのびのびと子供を育てられるとしたら、教育の面では、場所の「遠近での差」は次第になくなっていくでしょう。ことに高校学校教育までは、「質の高い教育」を、現代の発展したIT技術を有効活用して低コストで濃淡なく届けることができるのであれば、近い将来、都会も地方もなくなるのではと想像できます。やはり人が移動しやすい環境づくりを国、地方自治体と企業が連携して成功事例を粘り強く積み重ねていくことが必要でしょう。

もちろん良いことづくめではないでしょう。医療機関の選択肢が少ないのは考えものです。ここは、緊急・救急医療体制もセットでの再活性化が求められるところで、それにはまずは地方自治体と機能移転を図った一部の企業と共同で対応策を含めた体制づくりも段階を経ながら充実をさせていくことが必要でしょう。また、通院しない医療診察の技術の発展が求められるところでしょう。その兆しとして、厚生労働省がスマートフォンなどオンラインでの服薬指導を全国で認める動きもあるとのことです。テレビ電話での診察もすでに解禁されている中で、安心して働ける環境が少しずつですが前進してきていることも、強いサポートとなります。昨今の厚生労働省の方針変更も相まって、移動手段を含めた医薬品などの物流の仕組みの改革などによる小回りが利く医療体制が出来ることで、より可能になるのではないでしょうか。

まずは、候補となる地場産業と先進技術産業の技術を抽出し、物流環境の整備された安心して働ける環境づくりを国、地方自治体が支援し、そういうテストケースをどんどん増やして、高齢化社会が加速する中で、これからの日本を担う若者・働き盛り世代がワークライフバランスを実現できる成功事例を増やしていくことが望まれます。それにより、都会で活躍する40~50歳代の有能な人材が、地方の重要地場産業や企業の人材難解消と活性化の糸口になることも期待できるのはないでしょうか。