富国生命投資顧問株式会社

コラム

Vol.42

SASBの「Engagement Guide」のESGエンゲージメントを紹介する第22回目の今回は、「運輸セクター(Transportation Sector)」から「航空(Airline)」関連企業とのエンゲージメントテーマを取り上げます。

航空業界は、観光や商用の旅行客に航空輸送サービスを提供する企業で構成されています。この業界は、FSC、LCC、コミューター航空といった民間航空会社を含んでおり、それぞれグローバルに事業展開しています。また、ほとんどの航空会社では貨物事業も展開していますが、そこからの収益はごくわずかです。スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームといった主要航空アライアンスは、グローバル規模の会員を有しており、国際線もしくはサービス提供を行っていない旅行ルートへの包括航路によるアクセスを航空会社は顧客に提供することができます。航空会社の評価は、安全性やCO2排出量、従業員や労働組合との関係、そして業界競争におけるマネジメント能力によって行われるようになってきています。

そうした状況を踏まえ、航空業界のエンゲージメントテーマは、「環境」「人的資本」「リーダーシップおよびガバナンス」「その他考慮事項」で構成されています。

「環境」に関しては、「エネルギー使用の環境フットプリント」をテーマとし、「気候変動を緩和するための規制の動きに対する企業への影響はどのようなものか?」、「航空機の排ガスに対する規制当局の関心が高まっている中、航空各社は、航空機のカーボンフットプリントを管理するため、どのような戦略を立てているのか?」、「主な使用エネルギーの種類は何か?そして、不安定な化石燃料価格による影響をどのように制限しているのか?」といった点を注目しています。

「人的資本」については、「労使関係」をテーマに掲げ、「企業は従業員とどのように関り、また労働問題が発生したときにはどのように解決するのか?」、「企業は、労働争議によるサービス停止のリスクをどのように最小限に抑えているのか?」という点を確認しています。

「リーダーシップおよびガバナンス」については、「競争行動」と「事故および安全管理」をテーマとし、「競争行動」では、「どの市場でマーケットシェアトップなのか?そして、反競争的行為に対する懸念に対処するため、企業はどのような内部統制を用いているのか?」という点に焦点を当てています。「事故および安全管理」では、「企業は、航空機の安全にかかわる技術的問題にどのように積極的に取り組んでいるのか?」、「業界での最近の事故に照らし合わせて、高い安全性を有する航空会社としての地位をどのようにして占めようとしているか?」という点に注目し、エンゲージメントしています。

「その他考慮事項」については、「座席キロ(ASK)」、「座席利用率」、「旅客キロ(RPK)」、「有償貨物トンキロ(RTK)」、「出発数」、「航空機の平均使用年数」が挙げられます。